シンゾーさんからのおたより-その10
2004.2

HELLO

この間はみなさんと会えておかげで楽しい日になりました。
こちらは雨。よく降るんですね。冬は。おまけに11度くらいに なり、暖房がないのでシャワーをあびたら、すぐ布団にもぐりこむしかありまへん。 添付をおくります。写真も何枚かつけます。

富士山♪

 

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 今回は台湾の進んだ社会インフラの一端を紹介しましょう。僕が思うのは、日本、台湾での所得格差を考慮しても台湾のサービス料金は日本のそれよりかなり安い。そして利用者に便利なシステムになっていることだ。

 台湾の銀行口座はパスポートさえもっていけば誰でもすぐに開設できる。同じ漢字圏でありながらなぜ日本だけ印鑑が必要なシステムになっているのか。ATMは市内にはいたるところにあり、どの銀行のATMも利用可能で365日24時間預金を出し入れできる。しかも手数料は日本の数分の1。一年定期預金の金利は4.3%。今の日本の金融システムは異常だ。たとえ一億円預けても利息で生活できないのだから。

 通信の分野では、たとえばケータイの料金が安い。僕は台湾でもプリペイドの携帯電話を使っているが、300元(一元は約3.2円)を入金しておくと、これだけでケータイから日本に数回国際電話をかけることが出来る。有効期限も6ヶ月と長い。日本なら最低でも1ヶ月間、使っても使わなくても1000円。しかも3ヶ月経過すると電話番号そのものがなくなってしまうので、長期に使わない場合には誰かに3ヶ月ごとに1000円をいれてもらうか、4000円あまりを支払って新しい番号を取得するかのいずれかが必要となる。

 公共料金も同様に安い。中正国際空港から台湾市内に入るにはバスを使うのだが、バス運行会社は長榮、飛狗、國光、大有、統聯の5社が競合しており、70kmの距離の料金は110-135元。市内のバスは15元。同様に電車は台北、基隆間30キロが110元、タクシー料金も市内なら100元で相当の距離を走ってくれる。台湾新幹線の料金が最近決まった。比較のため、東京―名古屋間の料金ものせておこう。

 
新幹線
在来線
航空機
バス
台北―高雄
(345km)
1100元
(3,400円)
845元
(2,600円)
1900元
(5,900円)
500元
(1,550円)
東京―名古屋
(366km)
10,780円
(のぞみ)
6,090円

13,800円
(E割)

約5,000円

 サービスが競争原理で安くなっているのだ。僕は仕事がらJR東海殿と縁があるのだが、民営化したと言っても上部には依然として旧国鉄時代とあまり変わらない官僚構造が残っている。小泉総理のいう分割民営化が出来たとしてもあまり変化はないのではないか。本当にやる気なら、郵便事業もクロネコやペリカンに開放した方が効果 的だろう。

 田舎の町でもあのうっとうしい電柱が見当たらない。僕は阪神大震災の時、三ノ宮の繁華街の電柱がバタバタと倒れていた光景を思い出す。歩行者用の信号もディジタル表示で残り何秒と表示されて分かりやすい。日本もだんだん交通 信号に発光ダイオードを使うようになったが、台湾の方が先輩だ

こんなのもある♪
街角アート
だそうだ???

 テレビはどうかというと、月500元で100チャネルのケーブルテレビの番組が見れる。中国語は分からなくてもCNN、NHK国際放送、映画にスポーツの番組があるので新聞を読まなくても(読めなくても)陸の孤島になることはない。

 おまけに冬でも10度を下回ることはないので、防寒具もいらない。これで生活費が安くあがるシステムになっている。ついでに台湾新幹線で一緒に働いている仲間にKさんのことを参考のために書いておこう。埼玉 県出身だが、奥さんはフィリピン人でマニラに住居を構えている。彼が言うには、フィリピンでは2万円あれば贅沢を言わなければ、一家4人が1ヶ月食っていける。800万円も出せば、立派な1戸建ての住宅が買える。毎月10万円も出せば、メイド、ケア‐付で快適な生活だという。だから、もう日本に帰るつもりはないらしい。一度どういうことになっているのか調査する必要がある。

 フィリピンでは今、国をあげてケア‐ビジネスを立ち上げている。寝たきりにならなくても、いつかは何らかのケア‐を誰かにお願いするしかない。家族がケア‐を出来なくなった時、我が家でフィリピン人のケア‐マネジャーに来てもらうか、フィリピンに行ってお願いするようになるのでないか。言葉の壁がないアメリカではすでにこういうビジネスが展開されているだから。1ヶ月に年金を20万円もらって一年の半分を、寒い季節だけフィリピンで、残りを日本で生活したらちょっと豊かさを感じるかも。

 そこで以上を踏まえて僕は言いたい。日本はやがて消費税が10%に上がる。そしてデフレの次は確実にインフレになる。そうしないと年金も払えないし、700兆円の国の借金は返せない。老後は決まった収入はなくなる。が、反面 ヒマがいっぱいある。中にはこのヒマをもてあまして昔のナウマン像のように環境の変化に対応できず、お陀仏になるかもしれないが。環境の変化に合わせて進化することだ。まず病気にならないように常日頃から体をきたえる。金をかけずに楽しむことを考える。日本だけで生活しなければならない、という呪縛を解くことだ。

 日本人は忙しくしている方が平和で安心を感じるかも知れないが、定年後は効率とか時間のために金を使わないことだ。成田にもNarita Expressで行けば東京から3000円かかるが、京成成田の特急で行けば、1000円だ。この差はわずかに15分。そんなに急いでどこへ行きますか。

 車はやめて自転車か徒歩にする。テニスに行くのに車で行って、脂肪がたまったからといってスポーツセンタでルームランナを走っている御仁もいる。でも何かがおかしい。自転車で付近の山々を走って友達とビールを飲んだほうがましではないか。

 夢はでっかい方がいい。伊納忠敬は当時50歳を越えて徒歩で日本の地図を作った。三浦雄一郎のお父さんは90歳でまだ現役のプロスキーヤだ。金があってもできないことがある。逆に金がなくても丈夫な体とチャレンジ精神があればいつまでも青春を味わえる。僕は北海道を一昨年の夏、稚内、礼文島、札幌の700km仲間と走った。台湾に来てしまったから中断せざるを得なかったが、帰ったらこの続きをやるんだ。この企画に賛同したあなた、今から体を鍛えておいてください。そして一緒に走ろう。僕はシュワちゃんのような筋肉マンではない。あなたにもきっと出来るはず。

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 最近20度にもなり、快適な気候になってきました。 もうすこししたら、北のほうにあるテレサテンの墓まで ちゃりでいくつもりです。お楽しみに。

2004年2月

オマケの写 真:1月31日の新聞、全面 新幹線のニュース

2004.2(c)Shinzo

 

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