シンゾーさんからのおたより-その22

   
2006.1


あけましておめでとうございます。

台北は今年は暖かく、晴れた日には半そででテニスができます。こちらは新年よりも旧暦の春節の方がにぎやかで1月は2日からいつも通り働いています。

最近トレーニングで台北、高雄を行ったり来たりしていますと、中年力が出てきてホテルに眼鏡やら、薬やらを忘れることがあります。個人の場合は大きな問題にはなりませんが、軌道上に工具や資材を忘れると大変です。大事故につながる危険性があります。工具を持ち込む際には員数を確認し、忘れ物がないか作業終了時に声をだして確認をします。軌道に入る際も指差し確認。“左よし”、“右よし”と大きな声で確認するようになってしています。日本ならどの現場でもこの指差し確認を実施しています。また口頭で物事を伝達する際には必ず復唱することになっています。

ぼくも、最近はホテルをでる時はこの指差し確認をやります。ベッドよし、机よし、バスルームよし。これはかなり効果があります。テニスでも同じですよ。口にだしてゲームカウントをコールしないから、いまいくつだったけとか、もめたりする。

この指差し確認はひょっとすると日本人だけかもしれません。一緒にドイツ人もいますがこういう場面にはあたったことはありません。当たり前のことを誰もが確実にやるには、規律が必要です。実はぼくが軌道保守のトレーニングをしていて感ずるのは、この国では規律を守り、集団で物事を達成することは難しいのではないかということです。“左よし、右よし”をそのまま直訳すれば左辺好(ゾーピエンハオ)、右辺好(ヨーピエンハオ)とでもいうんでしょうか。でもこれはたぶん台湾人にはなじまみません。大体交通信号なんてあっても守らないのだから、やれといっても誰も真剣にはやらないでしょうね。工事中には何回も銅のアース線が盗まれる。本当にこの国で新幹線の安全は保たれるのか。それが問題だ。

新幹線はまだ試験運転中ですが、日本人が軌道を保守するのは3月末までです。4月からはどういうことになるのか。実は台湾高鉄は多数のフランス人をマネージャとして雇い入れて保守をやるように考えています。営業後の保守作業は全部夜間でしかも作業時間は4時間しかありません。そのとき、いったいどうやって指示を出し、作業品質を確保するつもりなのか。危険が迫った時、フランス語なまりの英語で迅速で的確な指示ができますか。

元旦はバードウオッチング。ぼくが参加しているのは台北野鳥学会の仲間。鳥は勿論ですが、それ以外でも野草や星のオタクがいて講義をしてくれます。でも残念ながら言葉がわかりません。いままでずっと探していました五色鳥に幸運にも真近で遭遇しました。今年はスタートから縁起がいいでっせ。次は台湾ランチョウをお願いします。何枚かカメラに収めたTaiwan Natureを味わってくださいませ。

再見

2006年1月

Birds Gallery
五色鳥
ハクセキレイ
紅隼(チョウゲンボウ)
小白鷺(コサギ)
白頭翁(シロガシラ)

 

 2006.1(c)Shinzo

pre. next